リディアは情けなさと彼の強情さに泣きたくなった。
(辛いなら辛いと言えばいいのよ…ノヴァの馬鹿…っ)
彼の杖を胸に抱いて、彼のために祈る。
どうか、少しでも早く彼の体が、魔力が回復しますよう。
お願いよ…_____。
リディアの頬をつうっと一筋涙が伝い、
ポツリ、彼の頬に零れ落ちる。
「…リディア様…?」
___アレンは、我が目を疑った。
自分の見ているものが一瞬、夢か現か判断がつかなくなったのだ。
それほどに、その光景は神々しさを纏っていた。
真っ暗闇だった周辺が、ぼんやりと光を持ち始める。
リディアを中心に、畔が、泉が、淡く優しい緑色に発光しながら、数多流星のような輝きがリディアの周りを旋回している。
夢でも見ているような。
そんな幻想的な光景が、そこには広がっていた。
「魔力を…?
そう…ありがとう。じゃあ少しだけ、あなた達の力をこの人のために貰うわね。」
優しく、穏やかに微笑みそこにいる”何か”に話しかけるリディアが頬の涙を拭って再び祈るように杖を抱え込むと、今度はノヴァの身体が一斉に緑の光に包まれた。

