精霊の謳姫



「あぁもう、分かったよ。

…ごめんね?リディア。」



サリーの言葉に切なげな表情でリディア
を見つめるノヴァ。

その珍しい姿に、膨れっ面だったリディアは泣きついていたサリーから腕を離し、



「えぇっ!?ノ、ノヴァ…?
あ…えっと、その…私の方こそ……」



しおらしいノヴァに動揺しながらも、
ムキになって馬鹿などと言ってしまった
ことを謝ろうとすれば、



「ごめんね?
君の可哀想なお頭(おつむ)に合わせて
話をしてあげられなくて。」



どう考えても失礼極まりないノヴァの
言葉に、



「……ノ……、」

「?」






「ノヴァの馬鹿ぁーーーッ!!!」






…さんさんと、暖かな太陽が見守る庭園
に、リディアの叫び声がこだましたのは
言うまでもない…。