クラスが貼りだされてる掲示板を眺めていた皐月ちゃんの視線が、ある一点でとまった。
「嘘……これって…」と言いながら皐月ちゃんが私の腕をぎゅっとつかんできた。
?皐月ちゃん……?
「香織、この人………」
「………皐月?」
背後から皐月ちゃんを呼ぶ声が聞こえて振り返ったとき見えた二人の男の子に、正確に言えばその二人組のなかの一人に私の視線はくぎ付けになった。
嘘、なんで。
一緒の高校を受験してたの?
私が驚いて固まっている間にも、皐月ちゃんたちの会話が進んでいく。
「祥吾(しょうご)……なんで……?」
「久しぶりだな…皐月。一年半ぶりくらいか?」
「一年半ぶりくらいか?じゃないわよっ!いつ戻ってきたの?祥吾…」
「3月の終わりごろかな。」
「じゃあなんで連絡くれなかったのっ…ばかぁ……」
祥吾くん。
それは皐月ちゃんのケンカ別れしてしまった元彼の名前で。
祥吾くんと一緒に居る彼は……
「……うさぎちゃん?」
———琥太郎くん。