(香織side)
「香織~!あたしら同じクラスだよ!」
「ほんと?皐月ちゃんと一緒で良かった!同じ中学出身の子少ないから離れたらどうしようかと思ってた…」
「ははっ、香織人見知りだもんね。」
結局、あれから卒業まで一度も琥太郎くんと話すことはなかった。
今まで真面目にコツコツと勉強してきたおかげか、県内でもトップクラスの県立高校に受かることができた。
自己採点では散々だったからもうダメかと思ったけど、自分の番号を見つけたときは嬉しすぎてその場でしゃがんで泣いてしまった。
同じ高校を受験した皐月ちゃんも「香織お゛め゛でどう゛……う゛ぅ……」とか言って一緒に大泣きしてたっけ。
…琥太郎くんがどこの高校を受験したかは知らないけれど。
もう一度だけ会えたら、今度はちゃんと告えるかな?
「あなたのことが大好きでした」って。