女が全ての武器を出すと、組員によって手を後ろで拘束される。




女は驚く様子もなく、されるがままになっている。




武器を回収した上に手を拘束するなんて、親父は用心深い。




そんなことを思っていると、親父と目が合った。




「…ヤマト、こいつを大将の部屋に連れてけ。悠汰、お前も来い」




親父の表の顔つきを見るのはいつぶりだろうか。




ガキの頃に一度だけ見たことがあるが、今ほどではなかった。




いつもはエプロン姿の穏やかな親父しが見てねぇから、余計に恐ろしく感じる。




俺は親父に言われるまま、親父の後をついてじじいの部屋へと向かった。