鋭くも睨みつけるように女を見つめる、ヤマト。




こんなに賊を警戒するヤマトを見るのは久しぶりだ。




相当な腕を持ってやがる、この女。




「貴様に私のことを明かして何になる?明かしたところで私に勝てるとでも?」




腰に手を当てる女の表情は余裕そのもの。




だが、それが逆に組員達に恐怖を教えさせる。




ヤマトは女に敵わないと分かったのか何も言わずに睨んでいる。




するとそこにやって来たのはレースのエプロン姿の親父。




「…おい、お前ら何やってんだ!玄関前で騒ぐなってあれほど…」




チラッと女を見る。




驚いてる、エプロン姿の親父に。




そして親父も女を見て驚いてる。
親父が驚くなんてめったにない。




裏の顔だった親父が急に表の組長の顔つきに変わった。