「……絵里香様が、鷹沢組と接触したそうです。
そこで美桜様に黒女の導のルール追加のことを話したとのことで、情報漏洩の罪として国外へ追放……とのことです」




「…………そうか。
姉さんは美桜のことをずっと可愛がっていたからな。
きっと姉さんも何かしらの罰を受ける覚悟で行ったんだろう」




龍之介は両手を組み、そこに額をつけると険しい表情のまま目を閉じた。




その表情を見て璃玖は今にも泣きそうな苦い表情を浮かべた。




そしてデスクに綺麗に並べられた招待状と写真を見て、僅かに目を丸くした。




「龍之介様…!まさかもう……!?」




龍之介は目を開けて璃玖の視線の先を追って、招待状と写真を見た。




「私がやらなければこの負の連鎖は終わらない。
誰かが導に成功する前にやらなければ……」


「…本当に……本当によろしいのですか…?」




龍之介は璃玖を見上げる。
璃玖の辛そうな表情に思わず苦笑いを浮かべる。




龍之介は椅子から立ち上がると璃玖の隣に立ち、震える璃玖の肩に優しく手を置いた。




「失敗すれば私もお前もどうなるかは分からない。
でも安心しろ。お前だけは何としても私が救う。

だからそう最初から失敗するような顔をするな」




眉をハの字にして龍之介は困ったように笑うと、次には険しい表情を浮かべた。




そしてデスクの上にある一枚の写真、笑った美桜が写る写真を手に取った。















「失敗など、ありはしないのだから」