そんな震える絵里香の手を優しく握ったのは真だった。




「…絵里香、大丈夫だ。
俺が傍にいる。俺が絵里香を守るから、だから安心していい」




真は絵里香を自身の腕の中に引き寄せた。




絵里香は堪えていた涙を流し、真に体を預けた。




(美桜、どうか、どうか最後まで生き延びて……
涼音、悠汰さん、鷹沢組の皆さん…美桜を守ってください。)









車の中にて。




「…少々お戯れが過ぎるのでは?」


「いいんだよ。
あれくらい脅しておかないと、絵里香はいつ鷹沢組に協力するか分からないからね」




文人はニッコリと笑って神を見た。
神は無表情のままため息をついて目を閉じた。




文人はそんな神を見てから、車から見える外の景色を眺めた。




「さて、次は誰が動くかな。
美桜、君はいつ僕のものになるかな。今から楽しみだよ」










彼が予想するよりも早く、









次なる歯車は回り始める……………