「…坊主の手下の…」


「…っ!?起きてたのかよ」




消えそうなほどの小声で言ったのに奴には聞こえていたらしく、驚いて私を見た。




男の顔を見て確信した。
やはりこいつはいつも坊主の傍にいる坊主の側近だ。




…ということはここは鷹沢組の屋敷か。




ここには美桜様の救出を要請しに一度しか来たことがなかったため、覚えてなかった。




そうだ、美桜様は大丈夫なのだろうか。




美桜様の容態を見に行こうと布団から起き上がろうとした。




「…っ!」


「お、おい!?」




全身の傷と剣を掴んで出来た傷が痛むことで体に力が入らず、少し起き上がったがすぐに布団に倒れてしまった。




坊主の側近は慌てて私に駆け寄ってきた。




「お前、全身傷だらけで打撲もあんだから大人しくしてろ!」




坊主の側近に布団をかけられ、寝かされてしまった。




「…こんな傷はどうでもいい。それよりも美桜様はどうした?無事なのか?」




私のこんな傷を気にしてる暇はない。今は美桜様の安否の方が重要だ。




「こんな傷ってお前な…」坊主の側近は呆れたようにため息をついたが、やがて答えてくれた。