「もちろんだよ!美桜さんの大切な人を私達で助けよう」


「うぉー!腕が鳴るぜ!」


「テツ!美桜嬢の部屋で騒ぐんじゃねぇよ!」


「そういうヤマトもうるせぇだろうが!」


「二人ともうるさいよ?地面に埋め込まれたいの?」


「「梨緒嬢……さーせんした!!」」




ヤマトとテツが騒いで、それを梨緒様が鎮める。




そんな光景、見ているだけで温かな気持ちになる。




悠汰が私の隣に来て、肩を抱かれ引き寄せられる。




私は一人じゃない。
家族という大切で頼れる存在がいる。




涼音、あなたはずっと一人で私のために戦ってくれてたのよね?




見えない鎖に繋がれ自由に生きれなかった。




あなたのその鎖、私が砕く。




あなたが私に自由を与えてくれたように、今度は私があなたに自由を与える。




だから待ってて。
あなたをすぐに解放しに行くから。




「揉め事は解決したのかしら?
だったら広間に集まってくれる?あなた達にいい情報を持ってきたから」




梅色の髪を綺麗に整えた女性が部屋の入り口に現れた。




この人はよく九条院家に入ってきていた………
私の屋敷にもいた。




「…常磐…胡梅…?」


「美桜お嬢様、お久し振りですわ」




私が名前を呼ぶと常磐胡梅は頭のハットを胸の前にやり、綺麗にお辞儀をした。




ここから、私と九条院家の兄弟達との戦いが始まる。