「……何考えてんだ」


「うひゃぁっ!?」




ベッドの上に膝を抱えて考え事をしていたから、隣にいた悠汰に気が付かなかった。




耳元で囁かれて、私らしからぬ変な声が出てしまった。




「…クククククッ、うひゃぁって変な声…プッ!」




私の声がかなり変だったのか、悠汰はずっと笑っている。
そんなに笑わなくてもいいのに。




そう思うけど、ずっと悠汰の笑ってる姿を見ていたいとも思う。




なんだかとても心が落ち着いて、先程のフツフツとした感情も消えていく。




本当にあなたは不思議な人。




「そういえば悠汰。今朝とまた服装が違うけど、どこかに行っていたの?」



「あ、あぁ。行きたくないところに行ってた」




悠汰はこれ以上言いたくない、という嫌な表情をしていた。




これは聞かない方がいい…よね。
私はそう判断し、これ以上は何も聞かなかった。