今……なんて言ったの?




信じられない目で喜史様を見つめる。
それを見た喜史様は先程言った言葉を繰り返した。




「君の護衛人、柊涼音といったかな?
彼女は今、九条院家地下牢に捕まっている」




涼音が…捕まった?
柊家最強の称号を持つ涼音が?




嘘よ、嘘に決まってる。
プライドの高い涼音のことだ、怪我が治るまでは私に言うなって彼らに言ってるんだ。




私に余計な心配をかけたくないから。




「おい、美桜!?」




私は立ち上がって襖やドアで閉められた部屋を全て開けて、涼音を探した。




誰が部屋にいたって、後から悠汰がついてきても構わず。




全ての部屋を見て回っても、涼音はどこにもいなかった。
結局先程いた部屋に戻ってきてしまった。




「これで嘘じゃないと、分かってもらえたかな?」




喜史様の目が嘘偽りがないということを物語っていた。