私が泣き止むまで、彼等は静かに待っていてくれていた。




泣き止み彼等を見ると、皆微笑んでくれた。




すると今まで部屋の隅にいた男性二人が前に出てきた。




「美桜嬢!お初にお目にかかりやす、若・悠汰様の側近ヤマトッス!」


「同じくテツっす!」


「ヤマト様とテツ様…」


「「呼び捨てで呼んでくだせぇ!!」」


「あ、はい」




金髪のヤマトと変わった髪型のテツの声に圧倒され、返事をして頷くことしか出来なかった。




「若が傍にいなくて何かあった時は遠慮なく俺らに言ってください!」




ヤマトとテツは二人して胸に手を当てた。




その様子から、悠汰に従順であるのだと分かる。




「ありがとう。これからよろしくお願いします」




微笑んで軽く頭を下げる。
するとヤマトとテツは何故か頬を赤くして、頭を掻いている。




「俺らは若の側近ですから、これくらい当たり前っす」




テツが笑って言った。
悠汰はこんなにもいい側近をもって、幸せね。




まるで昔の涼音を見ているよう。
昔の涼音は目が大きくて、純粋な目をしてい…た。




……涼音?
そうだ、涼音!




「涼音は…涼音はどこにいるのですか!?
私を助けた後、涼音もここに来たんですよね!?」




身を乗り出して喜史様を見つめる。




喜史様や樹様、梨緒様そして悠汰は皆言いづらそうに俯いてしまった。