パサッ




縁側から空を見ていると、私の肩に上着がかけられた。
隣を見ると、どこかに行っていた悠汰がいた。




上着は私にはかなり大きい。
悠汰の匂いがするから、きっと悠汰のだと思う。




「どうだ?お前の言う、外の世界は」




悠汰と太陽の日差しが重なって、つい見つめてしまう。




外の世界。
今見たのはほんの一欠片だけど、




「これから色んなものを悠汰から教わって知れる、そう思うとすごくドキドキする」




ふっと笑えば悠汰は私の肩に手を置いて、私を引き寄せた。




ゴホンッ




別の場所から咳払いが聞こえた。
聞こえた方を見ると、そこには黒の長髪に一部白髪の入った着物の男性が立っていた。




「イチャついてるところ悪いけど、目が覚めたなら来てくれるか?」


「…イ、イチャついてねぇよ!!」




イチャつく?
聞いたことのない言葉につい首を傾げる。




悠汰を見るけど、なんだか慌てていて頬も赤い。




「悠汰?イチャつくとはどういう…「お前はまだ知らなくていいんだよ!!」




悠汰に意味を聞こうとした途中で止められてしまった。




そこにいる男性はなんだか怪しい笑みを浮かべているけれど…




もう一度悠汰に聞こうとしたけど、なにも言わせないように強く手を引かれ結局『イチャつく』の意味が分からなかった。




私と悠汰は男性の後をついていった。