でももうあの頃の生活はお終い。




だから態と窓をメイドに閉めさせて、悠汰様を入れさせないようにした。




忘れようと思ったから。




悠汰様は助けると言ってくれたけど、いいの。




私なんかのために悠汰様が傷つくなんて見てられないから。




それに悠汰様には私に構わず幸せになって欲しいから。




もう、これでいいの。




コンコン




部屋のドアからノック音が聞こえ、数人のメイド達が入ってきた。




「…本日はお誕生日、そして解禁日誠におめでとうございます」




恭しく皆、頭を下げる。




ありがとうなんて言えない。
"道具"になるのに、お礼なんて言ったら変でしょ?




メイド達は私を黒いワンピースに着替えさせ、味のない食事を持ってきた。