運命の二人~白と黒の物語~

「王よ。」


語りかけるように話してきたのはかなり年配の老爺だった。


「ダオス老。」


ジャスティスが玉座から降りて肩膝をつき、礼を示した。
凛々も慌てて同じように降りて頭を下げた。


「王と王妃に頭を下げられたら立場がないわ。そなた達が王なのだ。玉座にお戻り下され。

ジャスティス王。貴方は歴代の王の中でも希代の王だと思っておる。王妃が不在であっても国の治安を維持し、こうして今、月も出ている。
我らの王に対する信頼は揺るぎない。」


ここで言葉をきると皆がジャスティスに厚い視線を向けていた。


「その王が選んだ王妃なのだ。我らに何の不満があるか?
私は喜んで二人を祝福したい。」


大歓声が上がった。


皆が口々に王を讃え、祝福の言葉を述べた。


凛々は隣にいるジャスティスがどれだけ慕われているかを知り、改めて尊敬の眼差しで見つめた。

そして自分が受け入れられた事が嬉しくて目頭が熱くなった。