ジャスティスが凛々を連れて行ったのはいつものバルコニーだった。


凛々は窓の側まで来た時、あれ?と思った。


何だか外が明るい気がする。それに城の中が騒がしい。


理由を聞きたくてジャスティスの方へ顔を向けると「見てごらん。」と言いながら窓を開けて外に出た。


暗いところから急に明るい場所に出て、凛々は思わず顔に手をかざして、目を細めた。


いつも夜だった魔界が、夕暮れ時のようにほんのり明るかった。


空の雲は薄い紫と、ピンクの色がうっすらと表面を彩っている。


その下に連なる街並みの灯りはいつもより薄らいで見え、忙しくチカチカカ光って活気に満ちていた。


「あれを見て。」


ジャスティスの指差す方に目をやると、巨大な月が、輝き、辺りを照らし出していた。