運命の二人~白と黒の物語~

(温かい。何て気持ちがいいんだろう)


暖かい気持ちに包まれてジャスティスはゆっくりと目を覚ました。


随分長く眠っていた気がする。


起きたくなかったのに、何かが私を呼び覚ました。


…そうだ。凛々が…


自分の目の前で他の男に愛を語り、自分を拒絶した事を思い出した。


悲しみに胸が押し潰されそうになったが、腕の中の温かさが、それを押し止めた。


今まで感じた事のない温もり。


不思議に思い、腕の中をそっと開くと、そこに白に近い金色の髪が見えて、柔らかい感触が腕を覆っていた。


「…凛々…なのか?」


凛々だと気づくのに少し時間がかかった。


いるはずのない人だ。何故彼女がここにいるのか理由が分からない。


鼓動が速くなる。。それよりもこの温もりを離したくなくて、もう一度抱き締めた。


「…やっぱり君は温かかったんだね…」


心を満たしていく甘い光を、ジャスティスは存分に味わった。


「う…ん。苦し…い。」

ジャスティスは自分が強く抱き締めすぎた事に気づき、慌てて力を緩めた。