「僕の前の相手はね。“消滅”を選んだんだ。」

え?消滅?それって…


凛々が口を開こうとした、その前にタロが話し始めた。


「…彼女は素晴らしい相手だったよ。
お互いに一緒にいることが当たり前だった。
だけど彼女は何回目かの転生の後に言ったんだ。“私は十分生きたわ。だから消える事にしたの”とね。
もちろん悲しい気持ちはあったけど、彼女が決めたことだから。」


淡々と語りながらもどこか寂しそうな様子に、愛してたんだと感じた。


でも、やきもちとかの感情が出ないのが不思議。

うん。なんか分かる。寂しいけど、寂しいとは違うんだよね。
二人とも、力一杯生きたんだね。