「タロに言われた通りだよ。決めつけられるのが凄く嫌だった。」


「忘れないで、凛々。それが地上界に生きる物の特性であり、誇りなんだよ。」


タロは嬉しそうに飛び回った。


「分かったわ。忘れない。」


凛々はさっき自分がした質問を思い出し、今度は言い方を変えて聞いてみた。


「ねぇ。私はどうしていつも人に生まれ変わったのか知ってる?」


「ああ。直接聞いた訳じゃないけど、“記憶”のせいじゃないかな。凛々の記憶はひとつしかないから、やっぱり記憶の中の想いは強いと思う。誰かと一緒にいたいって気持ちもそのせいだと思うけど。
それに。
“愛する人はただ一人”それは、天上界で生まれた“W”が持つ特性らしいし。」


凛々は繰り返し見ていた夢の事をふと思い出していた。


ああ、そうかもしれない。


タロへの気持ちは本物だったと言い切れる。
タロが何に生まれ変わってもこの気持ちは変わらない。