息を切らして世界の間にたどり着くとすぐにタロを呼んだ。


いつものように地上球の横から飛び出してきたタロは、凛々の回りをクルクルと回って、喜びを表現した。


「おはよ、タロ。いきなりで悪いけどリリー·ルゥの事、教えてほしいの。」


タロは凛々の肩に止まるように寄ってきた。


「僕に何を聞きたいの?」


凛々は目を丸くした。また一段と会話がスムーズになってる。


「そりゃそうだよ。もうすく約束の一年になるからね。」


…そうだった。気づかなかったけど、ここにきて一年になろうとしてるんだ。


「最近凛々も頻繁に来なくなったしね。ここに残る事にしたの?」


タロはさらりと言ったが凛々は罪悪感で胸が一杯になった。


「ごめんね。最近自分の事ばかりのでタロの事放っておいて。」


タロはクスクスと笑った。


「凛々は相変わらず真面目だね。まあそんなところが好きなんだけど。」