「ご免なさい。武志とはやっぱり付き合えないよ。」

私はペコリと頭を下げて言った。


「その理由は、やっぱ犬のせい?」

「うん。頭おかしいと思うかも知れないけど。ナツにも、そろそろ他にも目を向けなきゃって言われたけど。
やっぱり今は無理。ホントに大切なの。」

そう話して前を向くと、
「だから、その顔。ヤバイから。」
と武志が少し赤くなってた。


「…。分かった。俺もストーカーにはなりたくないから、キッパリ諦めるわ。だけど、今まで通りダチなのはいいだろ?」

「勿論だよ!ホントにゴメンね。」

「謝んなよ。」
そういうといつものようにポンポンと軽く頭を叩いた。


「まあ、ダチの延長で何か起こるかも知れないしな。」
はは!っと笑って、武志が立ち上がった。
私も急いで立ち上がる。

「じゃあ、俺、帰るわ。また、明日な。」

「うん。また明日ね。」
私はニコッと笑って手を振った。