(寒い…外套を持ってきてよかった。渇いた風なのに、棘のように身体が痛い。城の中とは空気が全然違う。結界の力って凄い…)


凛々は後ろを向き、結界の穴を拳大くらいの大きさに戻した。


(このくらいの穴なら暫く開いても平気よね。)


帰り道の目印にしようと思ったからだ。


「行こう!」


掛け声と共に、クレイを森へ急がせた。