獣舎に着き、入り口から顔をのぞかせると、足音で分かったのか、クレイは自分の檻の前で尻尾をファサッファサッと振りながら待っていた。


凛々が近づいて顔に手を近づけると、ペロリと舐めた。


「いい子ね。今日はちょっと遠くに行くけど、平気?」


優しく首筋を撫でた。


ウォン!!


クレイは大きく一声答えた。
そして前足で柵をガリガリと引っ掻いた。


「あはは!分かったわ。今すぐ出すから待ってて。」
凛々はクスクス笑いながらクレイを連れ出した。

「さあ、行くわよ!」


クレイの大きな背中に乗り、予定の場所へ走らせた。