凛々はいつもより熱心に話を聞き、森の事を詳しく知ろうとした。

城からの正確な距離。
森の特徴。
気をつけなければいけないこと。
森へ到着するまでにかかる時間。
持っていくと便利な物。

バルゴはあらゆる質問に丁寧に答えてくれた。


「本日は、とても熱心でいらっしゃいますね。リリー·ルゥ嬢。
普段もそのくらい熱心に話を聞いて下さると、こちらも努力が報われると言うものです。」


バルゴの嫌みは今の凛々の耳には入らなかった。

夢の記憶の中の森がある。凛々にとって唯一のこちらの世界の記憶。


ここに行けたら何か変わるかも知れない。


そう思えた。