はあ。


「詳しくって言っても、今ので全部だよ。断ったから。」

頭にチュッは言ってないけど。


「それは私のせい?」
茜ちゃんが、すぐに言ってきた。

「違うよ。茜ちゃんの事は関係ない。ちゃんと考えて返事したよ。これは本当だから信じて。」

茜ちゃんはまだ不信な顔をしていたけど
「分かった。」
と言ってくれた。

「それで?」
とナツは先を促す。

「断ったけど更にアタックしてきたんでしょ?それはどうすんの?」

「だから、二人に相談してるんじゃない。」

私はベッドの上で、タロの頭を撫でながら返事をした。


「私は付き合ったほうがいいと思う。」
ナツは言った。。
「前々から思ってたんだよね。タロが可愛いからって、愛情注ぎすぎだって。」

「………。」

茜ちゃんはちょっと間を置いて言った。
「神谷君の告白の事はショックだけど。何となく分かってたから。相手が凛々ならいいかなって。凛々も神谷君の事、嫌いには見えないよ。
気持ちに気づいてないだけかも。それなら、色々理解してくれてる彼氏って良いと思うわ。
神谷君、優しいもの。」

そういうものなのかな。付き合うって。


「茜の言う通りだよ!まずは友達以上からって話でしょ?気楽にいきなよ。そしたら“フォーリン・ラブ”てなるかも。」

茜ちゃんと指を絡ませてナツはお笑いコンビの真似をした。


私はまだ、タロに目をやったまま、黙ってなで続けていた。