そんな日々が一週間ほどすぎたある日、マーサが朝食の用意をしながら話しかけてきた。


「リリー様。ジャスティス様より伝言を申し使っております。」


来た！ついに呼び出しだ！


なるべく平静を装い、凛々はにっこりして聞いた。


「何かしら、マーサ。」

「はい。本日朝食の後に訓練所に来るようにとの事です。」


(あれ？私の勘違いかな？怒られると思ったんだけど。)


不審に思う凛々をマーサがジーっと見ていた。


「…リリー様。どうも最近様子が変ですよね？体調がすぐれないと、外にも出ないし、食事も部屋で取られるし。」


マーサが詰め寄ってくる。
「マーサに隠し事してませんか？」


「し、してないよ！ホントに調子が悪いのよ。でも大分良くなったから、ジェットに行きますって伝えて。」


この前の事はマーサにも言えない。言えば変に誤解を受けそうだし、自分自身だって理由が分からないのだから、話しようがない。


マーサはまだ凛々を見つめていたが、諦めたように、分かりました、と言って下がっていった。


はあぁ。ホント、心臓に悪い。
今日こそは逃げないようにしなくちゃ。


ずっとこのままって訳にはいかないんだから。