あの日の凛々はとても美しかった。


花の香りがする髪をフワリとたらし、そこから覗き込むようにして、赤い瞳が艶めいていた。


あまりの美しさにジャスティスは釘付けとなり、凛々の事以外、考えられなくなった。



ジャスティスの肩に置いた手を助々に首に回し、愛しい者を呼ぶように、自分の名前を呼んだ。


「ジェット…」


澄んだ、可愛いらしい声。
今思い出しても、胸が騒ぐ。


ずっと願っていた。あの目で見て欲しいと。