凛々は真っ赤になった。

どこから聞いてたんだろう。恥ずかしい。

「全部見てたんですか?いつから?」
少し怒ったように言うと、

「君がバルゴのまねを始めた頃かな。」
と口元を手で隠しながら、クスクスと笑って凛々のすぐ側に立った。


ひゃー。恥ずかしい!


「バルゴのまねが上手いな。」

「もう!ジェット、言わないで!」

凛々はジャスティスの胸を拳で叩こうとしたが、素早く手首を捕まれた。

「バルゴは君に辛くあたるのかな?」


さっきまで笑っていた顔が、真顔になった。
凛々の目をじっと見ている。


凛々はジャスティスの視線を避けるように俯いた。


「別に色々覚えることが嫌なんじゃないの。ただ、バルゴの言い方が、私を馬鹿にしたような言い方が…苦手なの。」


大っ嫌い!と言いたかったが、ジャスティスが信頼している相手と聞いていたので、軟らかく答えた。


「君は優しいな。」
「え?」
「こんな時でも相手の事を考える。」

凛々が上を見上げるとジャスティスが優しい目で凛々を見ていた。

凛々は急に、自分がジャスティスの息づかいが分かるほど近くにいたことに気づいた。