タロの魂は別に気にするでもなく、再び飛び回り始める。


そんな姿を優しく見つめながら、凛々は話しかけた。


「ここでの生活は大変だよ。リリーがお姫様だったって実感しちゃった。」


はあーと溜め息をついた。

「勉強はきらいじゃないよ。色々分かるのは嬉しいし。でもね、嫌なやつの授業があってね。…特にダンス!」



そう言って凛々は魂にお辞儀をした。


「まずは礼からですよ、リリー・ルゥ嬢。」

バルゴのまねをしながらタロに語りかける。


「ああ!そこは右足から!何度も説明したはずですが。」


次のステップを踏み間違い、凛々は俯いた。


そのステップはバルゴに寄り添わなくては踏めないステップで、凛々はうしても出来なかった。

あいつに笑顔で近づけってほうが無理なのよ。


今日のレッスンを思い出して悔し涙が出てきた。

「では、私と一曲お相手頂けますか?」

「え?」

後ろから急に声がしたので凛々はびっくりした。

声のほうを見ると、ジャスティスが笑顔で近づいてきてくるところだった。