タロが近づいてきて、凛々の顔の回りをゆっくりと飛び始めた。


「…」「…」「…」


話しかけるように何か聞こえるような気がするのだ。

「タロ、何か言いたいの?」


「…」


やっぱり何か聞こえる。

「ごめんね。何を話したいのか分からないの。傷が治ったら聞こえるかもしれないね。」

凛々は優しく話しかけた。