「リリー・ルゥ嬢。貴女様は未だ記憶が戻らないとか。それに間違いはありませんね?」

検事に罪状を確認されてる気分。

「そうです。ここにいたと聞きましたが、全く記憶にないです。」

「分かりました。ご自身では意識をしてないようですが、ここは王城です。格式があり、人の出入りも多いのです。私の言わんとする事が分かりますか。」

「いいえ、さっぱり。」
予想はつくけど言いたくない。


バルゴは首をふりながら大きく溜め息をついた。

「記憶がないからと言って、好き勝手をされると大変めいわ…コホン…皆様が心配されます。
特に殿下は貴女様とご一緒なされる事がどうしても増えます。殿下の立場もありますので田舎娘のような振る舞いは困るのですよ。」


…最後は本音丸出し。
ようするに、馬鹿な振る舞いでジェットの立場を悪くするなって言いたいんでしょ。
ホント嫌なやつ!


「それで、私にどうしろっていうの?」