その日の朝食後、書斎に案内され、中に入るとバルゴが手を後ろで組み、先に待っていた。
いつものように見下した目でこちらを見ながらにっこりして言った。

「やっと来ましたね、リリー・ルゥ·“W”·ゴードン嬢。」


…そもそも約束なんてしてないし。

「すみません。お待たせして。」

社交辞令ですと言わんばかりに、凛々もにっこりした。


どうぞこちらへと部屋の脇に置いてあったテーブルと椅子に促され、座った。


「早速ですが、本題に入ります。」

凛々は思わず姿勢を正した。