「あの、ひとつ聞いてもいいですか。」

ちょっと間があってから返事があった。

「なんだ?」


「貴方の呼び方なんですけど。」

「呼び方?」

「そう。マーサや貴方の側にこの前いた男の人。え~とバルゴさん(忘れるもんか!)?皆さん呼び方が違うでしょ?
私はなんて呼んだらいいのかと。」


面白そうな表情を浮かべながら、ジャスティスは聞いてきた。

「なんと呼びたい?」

「え~と。日本ぽく言うならジャ…スティスさん?でも貴方は王様ですよね?やっぱりジャ…スティス様?(ああ!この名前舌をかみそう)」


ジャスティスは優しい目で凛々に言った。

「ジャスティスでいい。」

さあ、呼んで見て。と言うようにテーブルに肩肘をついてこちらを見ている。


凛々は緊張のせいで背筋を伸ばし

「わ、分かりました。ジャ…ジャ…。
やっぱり無理!王様じゃ駄目ですか?」


さっきまで面白そうに聞いていたジャスティスはすっと目を細めて無表情になった。


「随分他人行儀だな。名前を言うのも嫌か。」


凛々は誤解されている事に気づき、慌てた。