それから二人は凛々が行くはずだった庭の東屋で、マーサが用意してくれた軽い食事とお茶をとった。


マーサが話していた通り、庭は素晴らしく手入れをされており、花が咲き乱れていた。


池の睡蓮は凛々が見た野性種のような群生したような咲き方ではなかった。
手のひら位の小さな可愛らしい花が池を渦巻き状に覆い、池の中で泳ぐ見たことのない魚が見られるように趣向が凝らされている。


「綺麗なところね。」

お腹も満たされ、庭を眺めていた凛々は誰に言うともなく呟いた。


お茶を飲んでいたジャスティスが凛々の見ていた方向を見て
「ああ、そうだな。」
と答えた。


穏やかな夕刻のひととき。
恋人達は……

そんなナレーションが入りそうだ。


(ま、違うけどね。)
凛々は頭の中で膨らみそうな妄想を消すため、ジャスティスに向き合い、以前から気になっていた質問をしてみることにした。