マーサの表情が曇った事に凛々は気づかなかった。

「以前は夜ばかりではなかったんですよ。黄昏時の国と呼ばれていて…


「そうだったの。」
凛々が気の毒そうに返事をするのを聞いて、マーサは急いで言った。


「さあさあ。いつまでも部屋にばかりいては駄目ですよ。その間に掃除しておきますね。」


凛々はマーサに背中を押されるようにして部屋から出されてしまった。