なんだよ。
意外と素直な顔もするんじゃん。


そう思うとなんだか嬉しいような、
そんな顔をさせることが出来て誇らしいような、
複雑な気持ちになった。


「なんだ?嬉しいのか?」


「はぁ?こんなくだらない問題、
 解けたって別に嬉しかねぇよ」


「すっげぇ喜んでたくせに」


「うっさい」


「ま、こんなの簡単だから
 解けて当たり前だもんな?」


ふふんと笑って宗佑を見下ろすと、
宗佑は悔しそうに、俺を睨みつけた。


「他の出せよ。他の!」


「他ー?そうだな……」


散らばっていた白い紙を取り、
椅子に座ってペンを走らせた。






【O、T、T、F、F、S、S、□】








「□に入るアルファベットを答えよ。
 こんなもんかな?」


「はぁ?昨日のとほぼ同じじゃねぇか!」


「んでも、解けるかな~?ひねくれた宗佑くんには
 案外難しいかもしれないな~」


「解けるし!ばぁーか!」


「ばかはどっちだ。ガキかよ」


「ガキじゃねぇ!」


あーあ。


また始まった。


どうも上手くいかないな。


なんだろうな。


俺が癇に障るんだろうな。


そしてそれは俺も同じ。


憎たらしくて、むかつくんだよなぁ。


俺に似て。