「でもまぁ、拾ったのが僕でよかったですね。他の人が…女子が拾っていたら大変なことになっていましたからね」



「……」



頭の中が混乱している。
私の好きな人、この目の前の人にバレたんだ。しかもそれは、おまじないでやってた紙が見つかったから。




「あの、それって鈍感とか関係あります?」




「…そうですね、関係ないですね」




なんか、さっきから返事が軽い。
どうしよう、バレてる。
これ、脅迫させるのかなぁ…
1人で頭を抱える。




「別にこの紙で貴女を脅迫しようと言うわけではありません。むしろ、その逆です。私の『ニセ』の恋人になってくれれば貴女の恋をお手伝いいたします」




「…えっ!それって、つまり、私がシドウさんの『ニセ』の恋人をやれば常田くんと恋人になれるかもしれないってことですか!」




「んー、実際になれるかどうかは貴女次第ですがお手伝いはさせていただきますよ」




脅迫するより、むしろ協力してくれるなんて。予想外だ。
でも、この手にのるしかない。