「な、なぜわかったんです?私、そんなにわかりやすかったですか?!」



「いえ、周りは気づかないでしょうね。ムツキさん。貴女、レンへの想いが実りますように…と書いた紙なんかをお持ちじゃないですか?」




え…持ってる。
な、なんでわかったの!
もしかして…




「その紙を今持ってらっしゃいますか?」



急いで制服のポケットに手をつっこむ。



ガサゴソ、ガサガサ…


な…ない。
でも私、いつの間に落としたんだろう…
昨日はあったはずなのに。



「ないです…」



「でしょうね、僕が持っていますから」



そう言って、シドウさんの制服のポケットから1枚の小さな紙が出てきた。ピンク色で花柄の紙。



「昨日、偶然拾ったんですよ。貴女のお席の近くで」



「えっ!それ嘘ですよね?」



信じられなかった。私、そんなに無防備だったんだ。