君に弱いワタシ~イタズラなkiss~

「実は…さ、ここまで来たのは常田くんが指示したからなの」


下げていた顔をあげ、私をみた。


えっ…
レンが?
でも、いつの間に?
それじゃあまるで、前からこうなることがわかってたみたいじゃん。



「え、アヤ?それいつ指示されたの?」


「前にね、常田くんに言われたの。さっきみたいな状況になったらサッカー部の部室へ逃げろ。俺がいるからって」


「レンが、それを言ったの?俺がいるって…じゃあ、ここにいるの?」



知らなかった。レンがそんなことまで考えていたなんて。
なんか、結構真剣に考えてくれてるんだ。『ニセ』でも、顔がにやけてしまう。大事にされてるって、感じがする。


「おい。なに急ににやけてんだよ」


「えっ…!?」