君に弱いワタシ~イタズラなkiss~

「あ、ここだよ。私の家」


「へぇー‼︎大っきいんだなー!」


「そうかな?まぁ、お父さんは医者だし、お母さんは看護師だからね」


「えっ、そうなの!?」


「うん。だから、ほとんど家には1人で…」



ダメだ。また泣きそうになる。小学生の頃からいつも1人だった。
帰ってきても、おかえりと声をかけてくれる人もいない。明かりのない部屋を1人さまよった。



仕事が忙しいってわかってるけど、やっぱり1人は寂しい。
もう、こんな顔見せたくない。絶対今、泣きそうな顔してるもん…



「カノン…」



名前を呼ばれたかと思うと、そのまま包まれるようにしてレンが私を包み込んだ。