「で、俺、中学のときにやめたんだ」


「へぇ、そんな過去があったんだ…」



わたしの家までの帰路でレンは過去のことを話してくれた。


レンは元々、サッカー少年で幼稚園の頃からずっとサッカーやってたみたい。
で、将来有望選手として高校も決まってたんだけど、ある試合で大ケガをしてドクターストップがかかった。
それで、サッカーができなくなってボールを見るのも嫌なくらいサッカーを拒絶した。
けど、やっぱり自分の気持ちはまだサッカーが好きという心があったみたいで、たまに窓から眺めてた…というわけらしい。


「俺さ、バカでしょ?情けないでしょ?」


「え、何で?」


「だって、たった一回のケガで挫折して、大好きなサッカーまで拒絶したんだよ?」