私を殺して




「では、あたしはこれで………」



そう言って、宮田はソファーから立ち上がった。



「あ、待てよ。送る」



俺がそう言うと、宮田は遠慮した。



「いやいやいや、そんなの健太くんに悪いよ。

あたし、一人で帰れるから」



「遠慮すんなって」



結局、宮田を送ることになった。



俺が帰ってきたときよりほど雨はひどくなかった。



2人で傘をさしながら、宮田の家を目指す。



「登校も一緒で、しかも帰りは送ってもらえるなんて…………。

あたし、女の子たちに恨まれちゃうなあ…」



そう言って、宮田は困ったように笑った。