私を殺して




夢ちゃんはうつむいていて、表情は見えなかった。



「そっか」



そう返事をするしかなかった。



姉妹が仲悪いなんて、一般的にも普通のことなんだろう。



そう、思いたい―――…。




―――――夢ちゃんを送ったあと、俺はゆっくりと帰宅した。



天気のせいなのか、気持ちはひどくどんよりとして、体も重たかった。



やっと自宅に着き、扉を開け、玄関に足を踏み入れる。



その時、リビングの方から母さんの笑い声が聞こえた。



テレビでも見てるのか?



そう思いながら靴を脱いでいると……………。