「……俺、平気っすから…………」 そう言いながら、立ち上がろうとするけど。 ダメだ。全然平気じゃないじゃん、俺。 体に力が入らない。 こんな出来事は初めてだった。 誰かと殴り合いの喧嘩なんてしたことないし、リンチだってこれが初めて。 今、俺の顔はどうなってるだろう。 顔を集中的にやられたから、きっとボコボコなんだろう。 もうどうにでもなれ。 そう思った。 「どうして………助けてくれたの? じゃなきゃ、健太くんはこんな目に遭わなかったんだよ…?」