「え、夢ちゃんの家って、反対方向じゃ…?」 小夜に何度か家にあがらせてもらったことがあるから分かる。 俺の家とは真逆の方向に位置していた。 「今日はね、寄り道したい所があって。 途中まで一緒に帰ろ?」 そう言われて、断る理由も特になかった俺は了承した。 「桜、もう散っちゃうね」 夢ちゃんが切なそうに、帰り道に並ぶ桜の木を見ながら言った。 桜の木の下にはたくさんの花びらが落ちてあった。