キミの声とわたしの心と

「疾風~。」
「はい、お呼びでしょうか、ボス。」
早いな。
「あぁ、こいつを案内してくれる?」
こいつ?
「承知しました。」
つっこめよ!!
「こちらにどうぞ。」
「あ、はい。」
そのまま、ドアの前で一礼して沢木さんの部屋を後にした。
「お初にお目にかかります。寺本疾風と申します。」
随分と丁寧な物言いだが、顔から不機嫌オーラが漂っている。てゆーか眉間にシワが寄っている。
「は、はい…あの~怒ってらっしゃるんですか?」
ぴき
あれれ?固まっちゃったぞ?
「あ、いえ。何でもありません。鞠那様。」
ムっ
「その様って言うの、止めて貰えませんか?私はそんなに偉くありません。」
ピキッ