人形探し

「玲美ぃーっっ!!」


涙を流しながら精一杯走ってる里奈の足元は、もうフラフラ。


このままだと、転んで捕まっちゃう。



私はすぅっと息を大きく吸い込んで。



「おーにさーんこーちらっっっ!!」


でっかい声で、そう叫んだ。


鬼の目は、里奈じゃなく私を捉え。



「アハハハハハハっ! みぃつけたぁ……!」



里奈を越して、私を追いかけ始めた。



ペタン、と座り込んだ里奈に



「逃げるか、どこかに隠れてっ! 体力が戻ったら、遠くへ行って!」



そう叫んで、私は勢いをつけて走り出した。



鬼の足音を聞きながら、私との距離はどれくらいなのかを推測する。


今の距離だと、少しヘマしたらすぐに追いつかれてしまうだろう。



「中学バスケ部エースの私を、なめんなよ…っ!」



一気にスピードをあげて、角を曲がる。


少し走って、後ろに目線を向けると、鬼の姿はない。


でも、足音が聞こえるから、まだ私を追ってる。



そう考えた私は、少し奥にある部屋に滑り込むようにその中に入る。



そして、息の音すら聞こえないように、その場に座り込んだ。