人形探し

「なんなの!? もうあんなヤツ知らない!」


夏帆が怒ってそう言ったとき、私の肩に誰かの手が乗った。


「ひっ!」

「わ、ビビった? ごめん」

「は、春樹!?」


私の肩に乗った手は、春樹のものだった。


春樹の苦笑いした顔に安心して、私は怒りを膨らませる。



「もう…! 驚かさないで!」

「こっちまでビビったわ。なあ、言った通りになっただろ?」


春樹は得意気に私と夏帆の顔を覗くようにして姿勢を低くした。


私と目が合って、ふっと微笑んでから



「お前、ちっせぇーなぁ」

「う、うるさい…! 春樹がでかいの!」



180cmちょっとある春樹に、160cm程の私が対抗する。


こんなくだらない会話のおかげで、少しだけ心が柔らかくなった。



私自身も緊張してたんだ、と俯いて考える。



「玲美? どしたの?」

「あっ、なんでもない!」


隣に立つ春樹に目を向ける。


ニヤニヤしてる春樹だけど、私が緊張してるのを分かってたのかな?



ありがとう、言おうかなと思ったとき。




『2年C組のみなさん』



ヘリウムガスを吸ったあとのような、変な声が聞こえた。