「行ってきまぁっす!!」


叫びながら家の玄関を出て、私は走る。

いつも走ってるから、バス停までは楽勝で走れる。


「はあっ、はあっ、あー、髪が崩れるー」


走りながら、私は髪型の心配をした。


……別に、こんなに盛らなくても良いんだ。

でも、“みんな”が綺麗に盛ってるから、私も浮かないようにしなくちゃ。


私がいつも一緒にいる子達は、うちのクラスの中でも目立つグループ。


みんな、綺麗で可愛くてクールだから。


私も、ちゃんとしなくちゃ……。




不意に顔を上げてみると、少し前にバスの姿。



「え、うっそ! もうバス来てるの!?」


さらにスピードを上げようとしたけど、もう心臓が持たない。


私は、いつも乗るバスを逃してしまい、次のバスに乗ることにした。